青春ばくはつ劇場自称花梨のネカマ姫、青春ばくはつが送る!あんまり青春ばくはつしてないMapleStoryの日記などetc...。 |
四話
2006-10-28-Sat-01:19
ほっぺたをツネル。
「痛い…」
夢だったらよかったが、やはり俺達の前には上級魔導師ポコビスが立ちふさがっている。
「早く俺にブレスを!」
そう指示するが、リズは使う素振りを見せない…。
「さっきの掠った攻撃で、MPが全部持ってかれちゃいました…。」
リズは、敵のパッシブスキル『マジックドレイン』によって、MPを吸収されてしまっていた…。
MPの残って無い魔法使いは役に立たない。実質戦えるのは俺だけだが、一人で戦って勝てる訳が無い。
「リズ!お前は家に戻って回復薬を飲んで来い。少しの間なら時間を稼げる!」
言い終わらないうちに、ポコビスは一瞬で目の前にいた。
「雑魚が…コールドビーム。」
リズを後ろに突き飛ばし、俺もギリギリで避ける。
そして、背後の家に入って行ったのを確認すると、ポコビスに向き直る。
「ほぅ。二刀流か、珍しい。カース一家の生き残りか…」
カース一家とは、俺の家族で構成された二刀流を主流とした小規模だが全盛期ではカニングの辺りでは知らない奴なんかいなかった位の強さだったらしい。
だが、俺が赤ん坊の頃に俺を除く全員が何者かに殺されてしまったと聞いた。
「な、何故カース一家の存在を…?」
ポコビスは、手に雷の力を蓄えながら俺の質問に答える。
「簡単に分かるだろう、俺たちが殺した。俺たちの誘いに乗らなかったからな。」
この会話が終わった瞬間。俺の恐怖心もその他の感情も全て怒りと化した。
「うぉぉぉ!」
俺はポコビスに向かって走り始めた。
「若造が…全てを消し去れ、サンダースピア。」
再びポコビスの手から雷の槍が放たれるが、俺の『シックスセンス』…第六感と呼ばれている感覚により、とっさに右に飛んで避け、ポコビスの懐に入った。
「食らえっ!ダブルス…タ…?」
俺は突き出したナイフを止め、何が起きたのか考える。
「攻撃が隙だらけだ、そして感情を出し過ぎだ。」
ポコビスは俺の後ろに立ち、攻撃の構えに入っていた。
「切り裂け、マジッククロー!」
俺の背中を双方の牙が切り裂く…俺は地面に倒れ、死を待つのみとなっていた。
流れ出る血液、ポコビスは俺を殺そうと、杖を振り上げる。
「安心しろ、痛みは感じない。サンダースピ…、ぐあっ!」
俺は死を覚悟したが、薬を飲んで来たらしいリズの魔法によって、ポコビスは3メートル程吹き飛んでいた。
「癒しの光、ヒール!神の加護を…ブレス!」
『ヒール』は名前の通り仲間の体力を回復する。
『ブレス』は、仲間の能力を一時的に上げるスキルだ。
「小娘が…二人まとめて串刺しにしてやる。アイスストライク!」
もうダメだと思ったが、頭が妙に冴える。
おかしい…大量の氷の軌道が読めてしまう…。
ブレスとシックスセンスによって覚醒した能力『第七感』と名付けておく。
「リズっ!つかまっとけ!」
俺はリズを抱き抱えると、氷が降り注ぐ中走り始めた。
「何故当たらんっ!サンダーボルト!アイスストライク!マジッククロー!」
「攻撃が荒いぜっ…。」
ポコビスの攻撃を少ない動きで避け、敵が次の攻撃に移ろうとする間の隙を見計らって、リズを下ろし左右二手に分かれてポコビスに近付く、撹乱作戦だ。
「娘の方を狙えばいいだけだ!消し去れ、サンダースピア!」
攻撃が当たる瞬間にリズの体は消え、ポコビスに急接近した場所に現れる。
二次職の魔法使いが使える『テレポート』だ。
さっきもテレポートでポコビスに背後を取られたと気付いて、テレポートを使って二人とも避けられると分かって二手で攻める事にしたのだ。
「おじいちゃんの痛み思い知れっ!マジッククロー!」
急接近して繰り出したリズの攻撃も空振り。ポコビスもテレポートで後ろに回り込んでいたのだ。
「スロー!」
ポコビスの呪文で、リズの動きが極端に鈍くなる。
リズは、多分まだ呪い解除の呪文を覚えていない…。
「ハハァ!最後は私の勝ち……」
「食らえ!ダブルスタブ!」
俺はダークサイトで透明になりながらリズの後ろに回り込んだポコビスの位置を予想し、ポコビスの背後を取っていた!
「ぐあぁっ!」
油断していたポコビスの背中に短剣が食い込む。
「おのれっ!」
ポコビスは俺の方に向き直ると、手にある杖で殴りかかって来た。
「どうした、MP切れか?」
挑発をしながらポコビスの振り回している杖を避け、足払いで相手の体勢を崩し…
「切り刻め!ダブルスタブッ!」
残り少ないMPを使い、ポコビスに渾身の一撃を叩き込む。
ポコビスの体は宙を舞いながら10メートル程吹き飛んだ。
起き上がったポコビスは、最早戦える体力も気力も残っていないのか、帰還書を使い他の街へとワープを始めようとしている。
追い討ちをかけてもいいが、手負いの奴は後がない分何をして来るか分からない…ここは見逃しておくのが一番良い選択だろう。
「お前達…今回は油断したが次はこうはいかんぞ。まぁどっちにしようとお前達は死ぬ事になると思うがな…。」
負け惜しみにしか聞こえないセリフを吐き捨て、ポコビスは消えた…。
